世界唯一のカーボンLSD

下のグラフは車がコーナーを加速旋回中のある一瞬の駆動トルクとタイヤグリップ力の関係を示しています。
LSDのデフロック力はメタルLSDの10分の1以下です。実は、これが素晴らしいデフロック特性の秘密なのです。

■メタルLSDの10分の1以下のデフロック力
高いイニシャルトルクをかけてもハンドル操作の邪魔をしないATSカーボンLSDのデフロック力は体感のとおり非常に強力ですが、メタルLSDの10分の1以下です。メタルLSDのデフロック力はタイヤグリップ力よりもはるかに大きく、最大値はドライブシャフトやLSD内蔵ギヤの強度よりも大きくなります。 メタルLSDはデフロックの弊害を避けるためにカム角やイニシャルトルクを極端に小さくしてアクセルレスポンスを遅くする必要がありますが、ATSカーボンLSDはその必要が全くありませんので、ドライバーの操作に対してLSDが俊敏に反応することでドライバーの能力を最大限引き出すことができます。

■タイヤブリップ力と同程度のデフロック力
ATSカーボンLSDのデフロック力は、ドライ路面におけるタイヤグリップよりは小さく、ウエット路面におけるタイヤグリップ力と拮抗しています。このためドライ路面では加速時でもハンドル操作を邪魔することなく、ウエット路面では適切なアクセル開度を維持することでグリップを失うことなく差動制限を安全にコントロールできます。

■駆動抜けに粘っこく抵抗するデフロック力
メタルLSDはデフロック力が非常に大きい反面、路面変化やアクセル操作によって突然、唐突に大きなスリップを発生します。これは、油中のメタルプレートの最大静止摩擦と動摩擦の落差が非常に大きいことに起因しています。ATSカーボンLSDは最大静止摩擦と動摩擦の差が小さいためスリップに対しては頑固に持続的に抵抗を続ける性質があります。

■ハンドル操作を邪魔せず駆動抜けは抑える理想的なLSD>br> タイヤグリップ力付近にあるデフロック力と粘っこい摩擦特性が、デフの差動に起因する大半の不安定要因を排除するためレース・競技での速さを引き寄せるばかりか、高速道路や雨天時の走行安定性に威力を発揮します。さらに高いイニシャルトルクで鋭いアクセルレスポンスであっても無騒音でありストリートではLSDの存在を忘れさせてくれます。

■イニシャルトルクの影響
このグラフから駆動トルクの大きさに対してイニシャルトルクが非常に小さいことがわかります。イニシャルトルクはアクセル全開時のデフロック力を強めるというよりもアクセル操作に対するデフロックの俊敏さとタイヤのグリップ状況をドライバーに伝える速さと敏感さに大きく影響します。車とドライバーの能力を引き出すには、悪い影響が出ない範囲でイニシャルトルクはできるだけ大きい方が良いということになります。

ATSのカーボンLSDは、カーボン(CCコンポジット)を摩材とする世界で唯一の本物のカーボンLSDです。カーボンが持つ驚異的な摩擦力によって、メタルLSDの10分の1以下のデフロック力にも関わらず競技・レースでのプロユースにも十分耐えるアクセルレスポンスと強力なロック性能を発揮し、かつ、ハンドリングの邪魔をしない(アンダーステアが発生しない)必要最小限の差動制限を自動的に遂行する夢のような革命的なLSDです。

15~20kgmという強力なイニシャルトルクを与えてもハンドル操作に違和感が発生しませんし、異音も全く発生しません。自然な操作感を維持したまま高いイニシャルトルクにセットできるので街乗りではLSDの存在すら忘れてしまいますが、その気になれば鋭いアクセルレスポンスでLSDの存在を主張します。さらに、高イニシャルでもアンダーステアが出ないので加速中の車の挙動変化は手に取るようにドライバーに伝わり、あらゆる場面でコントローラブルです。

特に注目すべき性能として、ウエット路面での走行安定性の高さがあります。例えばヘビーウエット時のサーキット走行ラップタイムに秒単位のアドバンテージを築けるほどの威力があります。これは、安全マージンを持って走らせても他車よりかなり速いということです。ストリート走行の場面であれば、雨の日の走行だけでなく横風の強い高速道路や凹凸の激しい舗装路面の走行でも高いイニシャルトルクとカーボンの摩擦特性の相乗効果で走行安定感が高まります。

カーボンLSD使用上のご注意

ATSカーボンLSDは、2000℃から3000℃で焼成されるCCコンポジットのチップをスチールプレートに接着しています。接着剤は熱不可逆性のエポキシ系接着剤ですが350℃あたりで接着強度が落ちます。目安として油温が140℃に達するとクーリング走行して冷やす必要があります。温度計を装着してLSDオイルが140℃を超えない範囲で全開走行とクーリング走行を繰り返すか、オイルクーラーを設置する必要があります。

関連リンク

・カーボンハイブリッド(LSD)
・クイックチェンジ用カーボンLSD
・カーボンLSD SPEC3-5